言語聴覚障害について
ことばの障害
失語症は、脳卒中などの脳の言語中枢の損傷により、思うことが話せなくなります。病院では、言語訓練の他、家族に対する指導を行います。障害は長期にわたることが多く障害等も持ちながらその後の人生の再構築をする必要があります。地域では友の会や言語リハビリ教室など、同じ障害を受けた人が集う会があります。
言語発達遅滞は、ことばを話せない、ことばが少ない等の症状を示します。家族や保育士など子どもに関する人に対しては生活の中でことばを育てる為の助言を行い、子どもに対しては遊びを取り入れた言語指導等を行い、ことばの発達を促します。
発音・音声の障害
運動障害性構音障害は脳卒中なので運動に関わる部位の障害により、発音に異常を生じるものです。言語訓練による機能回復、話し方の指導を行います。
音声障害は声帯に結節やポリープができるなどの結果生じます。手術による治療と、言語聴覚士による音声治療があります。
機能的構音障害は発音器官に異常が無いにもかかわらず、特定の発音ができなかったり、誤った音を習得したものです。言語聴覚士の発音指導により短期間で治ります。
口蓋裂による構音障害は、声が鼻に抜けたり、異常構音を生じます。発音指導で治る場合と、手術と発音指導の両方が必要な場合があります。
聴覚障害
老人性難聴では、きちんと調整した補聴器を装用し聞き取りの練習必要です。周りの人がゆっくりと話すことも大切です。
先天性聴覚障害は、早期に発見し、補聴器を装用した上で、専門家による指導を受けることが大切です。最近、先天性聴覚障害にも人工内耳が適用されるようになり、補聴器の効果が得られなかった重度聴覚障害児への効果が確認されています。
摂食・嚥下障害
成人の摂食・嚥下障害は、脳卒中などの原因で起こります。機能回復のための訓練、食事姿勢の工夫、食事形態や食事の仕方の工夫などを行い、楽しく食事ができるよう援助します。小児では脳性麻痺などで食べる機能の発達が阻害されることがあります。食事姿勢の工夫や、発達段階に応じた食べさせ方の指導等により摂食機能の発達を促します。